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2007年4月 7日 (土)

Joseph Jongenのピアノ三重奏曲Op.10について

こんど(4/8)に杉並公会堂で私と西村さん、吉田さんとで演奏(日本初演)する予定のJongenのピアノ三重奏曲Op.10のCDがこの度発売されましたので、早速聴いてみました(FUGA LIBERA FUG518)。

ジョンゲン(Joseph Jongen;1873 - 1953)は近代ベルギーを代表する作曲家であり、最近になって続々とCDが発売されるなど再評価が進んでいます。オルガンとオーケストラのための「協奏的交響曲」がオルガニストやオルガンファンの間では有名ですが、ハープ、フルート、ヴァイオリン、チェロによる室内楽「五声のコンセール」やヴァイオリンソナタや弦楽四重奏曲、ピアノ四重奏曲など室内楽曲も沢山書いていて、むしろこちらが本領ではないかと思われます。近代フランス音楽、特にフランクに傾倒していたそうで、ルクーやショーソンといったフランキストと共通する作風を持っています。このピアノ三重奏曲も初期の作品ですが堅固な様式感とフランス近代風の和声感覚が特徴的です。半音階や異名同音転調を多用して気まぐれなほどに気分が移り変わり、その反面でフランクの影響からか、堅固な循環形式で全曲が統一されています。このCDで聴いてみると本当にいい曲だと思える曲です。一楽章の流麗な美旋律も魅力的ですが、なんと言っても白眉は第二楽章です。この楽章の心に染み入る叙情性は類を見ないものですし、後半の盛り上がりもドラマティックで効果満点です。コーダではこの楽章のメロディーに第一楽章の第二主題を回想しつつ重ね合わせ、さらに第三楽章の主題を先取りする形で挿入し、来るべきアレグロ楽章を予感させているところなど、見事な作曲技術と言えるでしょう。第三楽章は疾走するアレグロ楽章です。

他に収録されているAquarelles pour violon et piano Op.59とDeux pieces en trio op.95も(特に前者)良い曲です。

演奏しているEnsemble Joseph Jongenは、団体名からして気合の入り方を感じさせます。ピアノのDiane Andersonは細かいパッセージの切れ味も良く、分厚い和音も力むことなく壮大に鳴り響かせています。実はこの曲のピアノは非常に技術的に難しいのですが、きちんと弾きこなしています。ヴァイオリンのEliot Lawson、チェロのMark Drobinskyも滑らかなボウイングでたっぷりとメロディーを歌い上げています。特にフランス音楽好きの方に自信を持ってお薦めできる素晴らしいディスクです。

伊藤 周

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