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2008年1月22日 (火)

第2回 APA大倉山コンサート

大倉山記念館は格調高い様式の建造物として知られている。ここを拠点に、東横線例会が長らく開かれており、年に二回の発表会が行なわれる。ただ、参加グループが多く時間の制限のため往々にしてプログラムは切り売りになる。大概犠牲になるのは時間のかかる緩徐楽章やスケルツォやメヌエットである。しかし全曲をとおしてこそという側面もある、ということで、東横線例会の幹事の一人である三浦 剛氏が一念発起して組み上げた演奏会が(一連の)「大倉山コンサート~三浦剛とその仲間たち~」である。

全曲を演奏することと、集客を積極的に行ないそれに耐えられる演奏会(舞台進行などを含む)にしようというのがメインなコンセプトだといえよう。結局は知人友人の来客が多かったものの、大阪から新幹線で来場、というような例もあったようで、盛会となった。水準もアマチュアとしてはまずまずで、とりわけ最後の出演になった筆者などは、前のグループが次々に(例会発表会などに比べれば)ハイレベルの演奏をくりひろげるのを聞きながらゲネプロの映像が脳裡をよこぎりつつ待つのはなかなかなプレッシャーであったことを告白しておきたい。

プログラムは四曲からなるが、プログラム全体としての流れは今後の課題だと思った。例会発表会はそれなりの出演数があることもあって出演順に工夫の余地があるが、演奏者がまちまちに希望する3-4曲を並べる全曲演奏会では並べ方に苦労するのは今後も必定と思われる。

  By のび

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一曲目はベートーベンの弦楽四重奏ハープ。やや慎重なたちあがりからハープの音を模式したピチカートの受け渡し、アルペジオ風のビルトオーゾ的パッセージに内声の旋律で一気に一楽章を終え、内省的な内容の二楽章、引き続く三、四楽章も上々だった。欲をいえば、この曲はベートーベンの曲であり、ハイドンでもモーツァルトでもないわけなので、ベートーベンという作曲家に対応した弾き方には研究の余地があると思えた。

二曲目はサンサーンスのピアノトリオ。カザルスグループもよくとりあげたとあって、無名ながら、一定のインパクトはもっている曲であった。合奏的にはかなり難易度が高いと思われ、相当な奏者の水準を示しているといえるだろう。一方でフランス音楽独得のニュアンスの変化への対応など、今後の進化が期待される部分もあった。

休憩をはさんで三曲目はモーツァルトのクラリネット五重奏。筆者は出演準備のため全曲は聞けなかったが、後半においてクラリネットの芯の強いしかし端正な演奏が筆者には印象に残った。勢いでは弾けないこの曲においてそのようなバランスを貫きとおすのは並大抵ではない。一方、全体としては何か演奏の核となるようなイメージにむかってもうちょっとフォーカスできそうな感じがした。

四曲目はメンデルスゾーンの弦楽八重奏、コードネームはメンパチ。セカンド提琴のグランドママとセカンドチェロの家長とその子どもたちの大家族による健康第一、ぬくもりのある演奏だったといえよう。モーツァルトとは対象的に音楽の勢いに流されたところがあったり、はばたききれない場所があったり、合奏上あちこちでほころび三楽章の最後ににこっと笑うという終了コードは統一がなかったりではあったが、現代日本において数少なくなった大家族の体育会というのはこんなものだったのではないだろうか。

会場でお聴きになった方なら、筆者が各演奏にあえて指摘したようなことはかなり先の話であって、演奏自体は相当な水準であったことは納得されるであろう。出演者各人が仕事等の役割を果たしながらの一定の水準に到達することを前提とした練習や楽曲への集中はおおいに称讃したい。特に、曲の展開をみる力を養ったり曲のバックグラウンドまで読みこむ上で、全曲をとおして曲と出演者がひびきあうことによる効果はたいへん大きい。今後もそのような機会が続くことを願ってやまない。

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(おまけ)

すーー。。。

観音様が唯一永遠の愛をちかったピアニストの枕元に音もなく平行移動して来たのはもう朝もまぢかの午前4時をまわったころである。その直前には「25千円になります」「よしゃ、ごくろうだった、つりはとっとけ、道中、いっぱいからんで悪かったな」という組長の声が玉縄の家の前からきこえていた。。。これがこの日の出演者の最後の帰宅の情景と推定されている。そしてその日のAPAニュースではUFOが燃料ぎれで観音をかすめて飛んでいたとか、仕事のはかどらない銀行員の生態とか、五反田のホテルを寝起き早々にたたきだされる田舎者の姿、家事が手につかずに喫茶店で茫然と時間をすごすセレブ主婦のようすなどが流された。

ことのはじまりは第2回大倉山コンサートである。出演者の一人が三次会という字句をメールで共演者にまわしたのが決定的だった。もはや舞台はそっちのけ、「焼酎のお湯割!」この一言のために、みんなが一丸となったのだった。上記の帰宅シーンも次の日の生態も必定であったのはもちろんのことである。

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(おまけのおまけ)

今回のメンパチ・ブログ「めんぱっちん!」はこちらです。
http://menpachi.jugem.jp

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