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2008年5月 7日 (水)

ラ・フォル・ジュルネのマスタークラス

フランスの港町ナントで95年に誕生した「ラ・フォル・ジュルネ(熱狂の日)」は、2005年にベートーベンで日本に上陸。東京の国際フォーラムを会場に5日間、一昨年はモーツアルトで70万人、昨年は民族のハーモニーをテーマに100万人が来場したとか、いまやGWの都心の風物詩となっています。

今年のテーマはシューベルト、会期中は朝9時から夜11時まで、400以上の公演やイベントがあります。1公演は45分で値段は1500円から最高3000円ですが、5000席ある巨大なホールAを除きチケットの購入は容易でなく、発売日を待ち構えてインターネットや電話で申し込みます。

Apa-bbsではTさんのレポートや、メーリングではFさんのレポートもありますが、有料チケットの半券の提示で入場できるマスタークラスを中心に楽しみましたので、行けなかった方や、ご存知なかった方々におすそ分けです。

by M.Nagata

1.5/4 講師・ジェラール・コセ(Va)、ブラームス・Vaソナタ1番1,2楽章、受講者:芸大4年生

前日に家内が聞いたアルペジオーネソナタでは、身振りの大きな弾き方をする演奏家だったそうですが、まず出だ

しに注文、多くのアマチュアや音楽学生がそうであるように直立でスッと弾きだすのはNGAllegro Appassinato だから音と同時に情感を大きな身振りで示すこと、演奏家は作曲家の意図を解釈して伝える役者なので、聞き手に伝えるために体でも表現しなければいけない。2楽章、同じメロディーが5回繰り返される単純な構造、但し、総て5回とも弾き方の指定は異なっている、よって1回目は単純にA線からはじめること。

2.5/4 対談、作曲家藤倉大、聞き手岡部真一郎

1977年大阪生まれ。15歳で単身英国に渡り、1998年ポーランドのセロツキ国際作曲コンクール最年少優勝以降、多くの国際コンクールで優勝している国際的作曲家でピエール・ブーレーズはじめ多くの指揮者の評価も高く、多くのオケからの委嘱作品も多い由。岡部さんが、幾つかの作品のCDを聞きながら作曲の発想法や意図を聞きだす。多くは演奏家を想像しながら、時に相談もしながら作曲するそうですが、弦楽器には打楽器的奏法、打楽器には弓を使う奏法、歌手には声でない舌打ちや口笛などを多用することが多いとか。にも係わらず作曲の依頼者は後をたたないとは?

3.5/5 講師・田崎瑞博(古典Q)、ストラビンスキーSQのための3つの小品、受講者:武蔵野音大生のSQ

今年は、弦楽四重奏のマスタークラスはこの1回だけ。しかもストラビンスキーとは。1つずつが2分ほど、全

体でも8分ほどの小品。講師の田崎さんのトークは絶品。『1曲目は簡単な舞曲ですが、多用されている変拍子は、現代曲の特徴かといえばそうでなく、多くの民謡や民族音楽には変拍子は多く、バリ島のケチャやはものすごい変拍子、アフリカの音楽では拍子として譜に表せないものもある、それを西洋の音楽は、何拍子とかの枠にはめて整理整頓したわけですから、ストラビンスキーは、それをやめて人間の根源的な原始の形に戻したのです。』『2曲目は奇妙な曲ですが、赤ちゃんのしぐさや発声と思ってください。一切の束縛から解放されて遊ぶ境地、ゲームの音楽にこれと似たものが多くあります。。。etc.

4.5/6 講師・トリオ・ヴァンダーラー(ピドゥVc,コックPf)シューベルト P三1番1楽章、受講者:芸大2年生&院生

始めの5小節にこの曲の総てがこめられている。1小節目はスラーが付いているので弓を返さない、かつ4拍目の

3連符をはっきり。12小節からの3連符の掛け合いはアクセントを強調して跳ねる様に軽く。全体に音がきれい過ぎるのでもっと荒々しく、音を遠くに飛ばすように弾く。ダイナミックスや表情記号の意味をよく考えること。etc..

 総じて、私達アマチュアの演奏は、まず譜読みで音取りと指使いの格闘にはじまり、次はCDの演奏のイメージを追うことに終始することが多いわけですが、今回、『演奏とは、どのように曲を受け止め、どのようにそれを聞き手に伝えるか、をもって完結する』ということがよくわかりました。

発表会にのせない場合は、聞き手を意識しないで、作曲者と楽譜とのみ向き合う場合はどうなのか、演奏者同志の会話までは行かずとも、CDで聞いた響きが少しでも体感できるだけでも楽しいのですが。。。。

 一方、ラ・フォル・ジュルネの魅力は、普段のコンサートと比べて聞き手の層が何倍も広いので、意識的にその様な姿勢をとるのかもしれませんが、来日する演奏家達は、伝えたいものを明確にもっていて、それが音と弾き方の両方で迫ってくるところにあるように思います。まだ行かれたことのない方は来年は是非、チケット購入に挑戦してみては如何?

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